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黒川温泉のドン ご逝去

 熊本県の黒川温泉に創業120年にになる「新明館」という旅館があります。

新明館の三代目、後藤哲也さんは、バブル崩壊直前の1980年代、

どん底まで落ち込んだ黒川温泉街を立て直した方です。

『日本のふるさと』をコンセプトに、

「これからの温泉地の人気を決めるのは、温泉地全体が醸し出す雰囲気ばい。

それには一軒の旅館だけが雰囲気を変えてもダメ。

地域全体の雰囲気を変えていかんと勝負になりきらん。」

と温泉街全体を巻き込み、温泉街の雰囲気を統一することで

V字回復を達成された方です。

 

この時の回復の特徴はリピートのお客様が多くなったこと。

だからこそ、リピートのお客様を呼ぶことが重要と考えている、

ディズニーランドが経営陣、そして一般社員と数度にわたり視察に訪れた程です。

 

しかし、結果はすごいですが、そのプロセスは本当に大変だったようです。

彼がやろうとすることに、黒川の他の23軒の旅館の経営者は皆よく思いませんでした。

 

全国を巡り温泉街を再興するために絶対に必要だと彼が感じた3つの施策があります。

①旅館毎のオリジナルの露天風呂

②ふるさとにつながる雑木林の植林

③旅館はもちろん地域の看板・ガードレールまで黒色にすることによる景観統一

です。

これら3つの施策を圧倒的な地域の反対を受けながらも、

まずは、たった一人で行い結果を出してい行きます。

 

オリジナルの露天風呂を何故、彼は作ろうとしたのか?

 

「温泉街の名所と言えば風呂しかない。ばってん、

新明館は川と裏山に挟まれた狭い土地にへばりつくように建っとる。

敷地を拡げるのは不可能・・・。それで裏山を掘ることを思いつきました」

 

しかし、当時健在であった父親に「岩を掘った風呂なんかを作ってどうする!」

と反対されます。業者に依頼するなどのコストをかけることができません。

そこで、彼は全く機械を使わず、金槌とノミだけを使い3年かかって完成させます。

 

『制約条件の中で、やれることを考える。条件は変えられない。

                  その中で何ができるかを考える。』

 

『今ある環境の中でなんとかする』。自立の姿勢を学びました。

そして『結果を出すこと』によって他の23軒の旅館に『影響』を与え、

他の旅館も後藤哲也さんに徐々に付き従うようになります。

まさに、リーダーとしての見本です。

 

こうして、黒川温泉全体が地域全体で「日本の良きふるさと」を

感じさせてくれる地域になっていきました。

『率先垂範こそが影響力の本質である』ことを教えてくれた方です。

 

 『黒川一旅館』

 

“温泉街全体が一つの旅館、道路は廊下、各旅館は部屋である”

 

全体で競争せず、相互に成長していく素晴らしい成功事例を見せる

ことで『相互支援の重要性』も教えてくれました。

2年前の2016年の熊本地震の1ヶ月前に黒川温泉を訪れました。

チェックイン前に街を歩いていると平日の夕方の小学生の下校時刻

とぶつかりました。

 

男の子が1人、前から歩いてきて、僕の前で立ち止まります。

そして、大きな声で「こんにちは!」と言いました。

僕も「こんにちは!」と返答をしました。

次に女の子の2人組が来ます。同様に立ち止まり、「こんにちは!」と

挨拶してくれます。

元気な子に連続して会ったのかなと思っていた感覚が間違いだったと

気づいたのは、その後も連続して5人以上の子どもたちが同じ行動

を取ったからです。

自分の家の旅館の中を歩いているのはどんな人でもお客さんだという

感覚がきっと子どもたちにもあるのだと思いました。

 

新明館へのチェックイン時に、後藤哲也さんのことをお聞きしたら、

今は隠居されお元気に熊本市内でお過ごしですということでした。

もしかしたら会えるのかもという淡い期待があったのですが、

でもお元気でいらっしゃるということで良かったなと思っていたことを思い出します。

創業120年以上の古い古い建物ですが、本当に趣があり、料理も美味しく、そして後藤哲也が直に掘った洞窟風呂も最高でした、、、、、

 

後藤哲也さん、4日前の1/22、逝去されました。86歳でした。

心からご冥福をお祈りいたします。

 

震災後一度落ち込んでいた黒川温泉の観光客の数も、

過去のように旅館経営者だけでなく、青年部を中心に農家・商店・

役場・町長・県庁・親世代・女将・スタッフ等、

多様なステークホルダーが皆で協力して

様々な施策を進めているそうです。

 

そこには、しっかりと、後藤哲也の”魂”が受け継がれているのだと思います。

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