目的と手段の”バランス”を意識せずして仕事はしないこと
『目的と手段の関係は本当に大事です。考える視点には2つあると思います。
1つは、”目的と手段のバランス”。とりあえずのたたき台で良かったり、内部のスタッフ間だけで検討するものなのに、仰々しく綺麗な資料を作るなど。これはダメです。目的が小さいのに、手段が大きいというアンバランスが発生しています。
2つ目は、”目的自体に合理性があるのか”ということ。つまり、そもそもやらなくていい仕事を作り出しているのでは?ということです。
目的と手段は完全に正比例していると思えばいいと思います。目的が10なら手段も10。100なら100.ゼロなら手段もゼロ、つまり何もする必要はないのです。』
【目的と手段のバランスについて】
藻岩山に夏に登るための装備に、エベレスト登頂のための装備を準備するのはやりすぎです。時間もお金もかかります。藻岩山に安全に登りさえすればいいのですから、その準備で足ります。
こんなことを間違える人は少ないかもしれませんが、
あやゆる不安や万一を考え始めるとだんだん装備が増えることになります。
藻岩山は登山であって、その際の万一は考えた方が良い場合も少しはあります。でも、季節外れ、史上初の12月の寒波が夏の札幌に発生したら・・・これは考えすぎだと思います。
命に関わらない業務では、仕上がり像が低くて良い場合は、ほぼ万一や不安は考えない方が良いと思っています。
以前、勤務していた会社所有の書籍定価1050円の本をセミナー参加時に販売するということがありました。
セミナー終了前や終了後に書籍を売る準備、段取を考えていたのですが、2000円、5000円、1万円を出された場合釣り銭を準備することになりました。千円札を用意するのはそれほど問題ないのですが、2000円ー1050円=950円の釣り銭を準備することはかなり大変です。
どれくらいの枚数を用意するのか。
さらに、釣り銭を発生させてお渡しする時間がかかります。
定価1000円と、1050円では200人の行列の書籍購入者の販売に、1人あたり対応時間は20秒位の差があります。20秒×200人=4000秒≒1時間以上余計に時間がかかるのです。準備にも時間がかかり、さらに、書籍販売をしている複数人のスタッフの人件費、余計にかかる会場代費用などもかかります。
それらを考慮すると、正しく販売した場合に得られる200冊×50円=1万円の売上を遥かにオーバーする経費がかかります。この時、自分は即座に割引価格1000円で販売することを決めました(もちろん、上司の決裁を取りました)。
【目的自体に合理性があるのか】
たとえば、お客さまが、これまで貯められたポイントカードの提出と引き換えに景品をお渡しするというケースで考えてみましょう。
景品をお渡しする際にポイントカードに”確かに景品を受領いたしました”という意味での受領印をもらうべきではないかということが議論になりました。
(↑このカードは景品引き換えじゃないですが。。^^;)
これは意味があることなのか?
屋上屋をかけることになりはしないか、ということを考えることが大切です。
目的に合理性がないのです。
すでにポイントカードを回収しているんです。引き換えに景品を渡しているのですからあとで景品をもらっていないと主張されることはありえません。
このように仕事をする上で目的と手段のバランスを考えることは凄く大切なことです。