「亀田興毅に勝ったら1000万円」
この企画はインターネットテレビ局であるAbemaTVによるもの。
5月7日18時から放送されました。
元世界チャンピオンである亀田興毅にボクシングで勝ったら1,000万円もらえるという“亀田興毅の1,000万円チャレンジ”という企画。
20代でボクシングジムに通い、ボクシングが好きすぎてラスベガスまで行った自分としてはかなり面白く見させてもらいました。
挑戦者は2000人以上の応募者からオーディションを開催して4人が選ばれました。
どんな方かというと、歌舞伎町のホストクラブの支配人である風神永遠、現役高校教の松本諒太、50万人以上の登録数を持っている人気ユーチューバーのジョー、北関東最大の暴走族の元総長であるユウタ(最後のユウタはアマチュアながら総合格闘技で10試合の経験あり)。
当日はサーバーダウンするなどのアクシデントもありましたが、1,400万人以上が視聴したとのことで興行的には大成功に終わりました。
試合結果は3人目までは亀田のKO勝ち。
4試合目のユウタは3ラウンドまでなんとか倒れずに終了。
1,000万円はユウタが亀田を倒さなければならないので、当然獲得できずということになりました。
試合内容についてはいろんな意見もありましたが、
(何故、4試合目のユウタをKOできなかったのかという批判もありますが、
ボクシングをわかってない人の戯言です。何故倒せなかったかの詳しい分析はこちら)
僕は、この企画を受けようと決めた亀田興毅の姿勢が素晴らしいと思っています。
亀田興毅は、試合後振り返ってこう言っています。
「現役を引退して約1年半の期間全くトレーニングをしていなく、幼少の頃から鍛え上げられた肉体から筋肉が落ちた(中で試合をするので)正直試合前は、リスクしかない戦いで見えないプレッシャーとの戦いでした。勝っても当たり前、むしろ万が一やられるようなことがあると全てを失い、そしてボクシングにも影響を及ぼすことになる・・・
(試合が決まり、3週間トレーニングしたが、)やはりたった3週間で一度失った筋肉が戻るはずも無く、試合では足が攣ってしまいかなり厳しい状況だった。
結果的には良い形で終わることが出来たが、現役では味わったことのない ちょっと違ったプレッシャーがあって、試合が近付くにつれ睡眠時間も短くなっていたぐらい。ってことで色んな意味で最初で最後のリングを楽しめたかなと思います」」
「ボクシングって面白いってことをもっと多くの方に知ってもらいたい」という想いだけで引き受けたらしいです。トレーニングしていなくてもなんとかなるとは思っていたかもしれませんが、万一の場合に失うものが大きすぎる環境へ自分の意志で出ていく凄さ。
いつもと異なる環境に身を置くこと、そういう体験、経験を敢えて行うこと。これこそが人が成長する本質です。これ以外の方法はないです。
筋トレをやっているとわかるんですが、いつもよりも大きな負荷をかけないと筋肉は大きくなりません。例えばダンベルカールを今15kg✕7回MAXで上げられたとします。今の筋肉を壊して大きな筋肉にしようと思うなら、17kg✕7回に挑戦しなければならないのです(例え)。そうしないと筋繊維が破壊され新たに強く太い筋繊維に成長しないんです。
そして、これは結構辛い。たかが2kgと思うかもしれませんが、もし楽に感じるなら、それはMAXをきちんとつかんでないということ。今の限界を超える2kgは大変なんです。
でも、大変だからやるんです。
大変だから成長するんです。
今の環境と異なる所=緊張する場所、不快に感じる場所や環境に身をおいて、体験するから成長するんです。
新しい仕事を任された、今までにない企画を考えなければならない、やったことのない研修をしなければならない。
成長のチャンスです。
『人の成長は不快的な領域で快適に過ごした時間に比例する』
亀田は、今の肉体の状況の中でよくやったと思うし、これまでのヒールのイメージを変えられ、彼のブランディング的にも成功したと思う。拍手を贈りたい。